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『わたしはどこへゆく?メヒコ長距離バス旅』
昨年、編集者のマルオさんと1ヶ月にわたって長距離バスに乗り、メキシコを北から南、山へ海へ移動を続けた。
きっかけはタコスの本が作れないか?という軽い話から始まった。ドキュメンタリーや物語、さらには人生も入り口から出口が、始点から終点までが遠ければ遠いほどおもしろい。そんなことを呑気に構えて旅を続けていた私たち。気がつくと、どういうわけかグアテマラとの国境にあたる川を、不法移民たちとともにイカダにしがみついていた。結果、タコスの写真は一枚も無い、奇妙な旅の本になった。
移動手段は多種多様。内燃機関を持つ自動車のヒッチハイクもあれば、人力の三輪自転車タクシー、時にはひたすら歩くこともあった。なかでも一番多くの時間を過ごしたのが長距離バスの車内。おかげで10時間ぐらいのバスでは物足りない体になってしまった。二晩連続は乗りごたえがあるし、疲れていれば野宿でもよく眠れる。
長距離バスのいいところは乗ってしまったら何もできず、ただ風景を見るか撮影するしかない。あとはひたすら沈思黙考。途中のターミナルで乗客が入れ替わっていくが、私たちは残ってただ座り続ける。メキシコとの間に特別な縁や執着があるわけではない。それでも旅先で多くの人と出会い、話をした。どんな状況でも、どこまで相手に向き合い、どこまでフェアでいられるのか──旅の間中、そんなことばかり考えていた気がする。それは風景を撮影する時も同じだ。深夜の移動中にはメキシコからはるか遠く離れたウクライナにいる夢も何度か見たし、これまでの経験や曖昧な見通しについて、そんなことも座席に持たれて逡巡してみたが、何にも答えが出ない、暗中猛進。
とにかくメキシコに正面からぶつかった本になったと思う。
『わたしはどこへゆく?メヒコ長距離バス旅』
¿A dónde voy? Un viaje sin destino por México en autobús
文・圓尾公佑
写真・児玉浩宜
デザイン・牧田幸恵
発行・Kung Fu Production
サイズ・182mm x 128mm
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